時に不条理さもある、自然を相手にした鷹狩りを続ける理由 ~支配とコントロールではなく、自由と信頼でつながる関係性~

ごあいさつ

いつもご愛読ありがとうございます。KTです。
今回は鷹狩りを楽しむ中で思ったことをお話しします。
鷹狩りって何?という方はこちらをご覧ください。https://goo.gl/9kHaCV

鷹狩りを続けている理由

幼いころからさまざまなペットを飼ってきましたが、高度なコミュニケーションがとれる動物はほぼ家畜に限定されていました。

家畜を使役するということは、人間の言うことに従わせるという側面が強調されることが多々ありました。ほかの動物より知能が高い人間だからこそ、支配とコントロールができることですが、わたしが本当にやってみたかったことは、人間に従う習性のない野生の生き物の感覚を通して世界を体験することでした。

鷹狩りは野生の生き物と人間が協働してひとつの目的を達成するめずらしい活動です。鷹匠の役目は、猛禽が獲物を捕りやすいように手助けすることです。

具体的には、獲物を見つけて、猛禽が捕りやすい方向に追い出します。獲物の習性はもちろん、地形や風向きをよく知り、味方につけることが必要です。猛禽の狩りを手助けしようという気持ちで狩場に立つと、自然との一体感が得られます。

鳥の感覚になる

自分が調教したハヤブサが空高く飛ぶとき、わたしは無上の自由を感じます。かつて私が働いていた高層オフィスより高く飛ぶハヤブサの目には、世界はどんな風に映っているのでしょうか。

わたしが獲物を藪のなかから追い出そうと奮闘していると、やがてハヤブサは頭上高くへ戻ってきます。飛び出す獲物を急降下して捕まえるために、待ちかまえているのです。上を見上げてその姿を確認すると、なんとも言えない満足感があります。

広い空から見下ろしたわたしは、小さな点でしかありませんが、ハヤブサの視力は見逃しません。

また、上空100メートル以上まで1,2分で上昇できる羽ばたきは何度見ても飽きることがありません。あたたかく風の強い日に、木立の上に発生している気流に乗ってジェットコースターのように降下と上昇を繰り返して遊んでいるハヤブサを見るのは楽しいものです。

複数の正解

わたしが体験したもうひとつの自由は、猛禽の調教に対する姿勢です。

世界中の鷹匠のアドバイスに共通していることは、相手が生き物である以上、決まりきった法則はなく、複数の正解があるということでした。

ある個体に対しては効果があった調教方法でも、ほかの個体に対しては効果がないこともあります。動物といえど個性があるので、相性の善しあしも影響します。言葉を話せない相手と信頼関係を築くプロセスで学んだことは、目的を達成するためにどんな方法があるか、ひろい目線で考えることが大事だということでした。

物事には複数の正解が存在するという考え方は、人生の選択肢を増やしてくれると思っています。

いたわりを忘れない

鷹匠のなかにはつらい幼少期を過ごした人が何人かいます。鷹匠の自伝にそのことが記されています。

自然を相手にする狩猟は、理不尽なことも多く起こります。

鷹匠につらい幼少期を過ごした人が多いのは、偶然の一致かもしれませんが、理不尽な幼少期を生き抜いた人だからこそ、鷹狩りを続けられている気がします。手助けを必要としている初心者に親切にする鷹匠が多いのも、つらい体験をしたからこそ他者を助ける大切さを知っているのだと思います。

自分ができることをする

鷹狩りを通じてたくさんの素晴らしい出会いがありました。

先人の手助けなしには、今日の景色を見ることはできなかったでしょう。受けた親切を返すため、鷹狩りのマニュアル本をクラウドファンディングで翻訳出版することに挑戦しています。

英語で書かれた鷹狩りのマニュアルは日本語のそれとは比較できないほど多くあります。

わたしが猛禽の調教をしたとき、もっとも役立った一冊を日本語にして、より多くの人に共有したいと考えています。ぜひ以下のURLをご覧ください。みなさまのご支援をお待ちしています。

https://greenfunding.jp/thousandsofbooks/projects/2135

KT
198X年関東生まれ。
2016年よりハヤブサで鷹狩りをはじめる。外資系企業等の勤務を経て、フリーランス通訳・翻訳者。趣味は乗馬とシュールなフクロウグッズ作り。
Webサイト http://hayabusa.takagari.net/
フクロウグッズ販売中 https://minne.com/@menfukurou

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