toggle
2017-10-20

強く惹かれるものを見つけたら、思い切って挑戦する。~鷹狩りに惹かれて広がった世界~

はじめまして

こんにちは。KTです。198X年に関東で生まれました。2016年から鷹狩りを楽しんでいます。
鷹狩りとは、調教した猛禽類(タカ、ハヤブサなど肉食の鳥)で野生の鳥を狩ることです。銃が発明されるはるか昔から、人類は猛禽ともに肉を得ていました。
(詳しく知りたい方はこちら https://note.mu/falconer/n/nd62b30aaaa77

鷹狩りを始めたきっかけ

スーパーで美味しいお肉が手軽に買えるのになぜ?と疑問に思われた方もいるでしょう。わたしが鷹狩りをはじめたきっかけは、数年前にさかのぼります。社会人2年目のお正月、キャリアに悩んでいたわたしは息抜きにサウジアラビアを訪れました。
日が昇る直前の砂漠で出会ったのは、黒い目をしたハヤブサでした。

鷹匠と猛禽の特別な関係

鋭いくちばしとかぎ爪を持ったその鳥は、わたしがこれまでに見たどの鳥にもない存在感を発していました。それもそのはず、飼育下で繁殖されたとはいえ、家畜化されていない猛禽類は野生のままの性格なのです。
驚いたことに、ハヤブサは鷹匠(猛禽を扱う人)のまわりを高速で旋回飛行し、離れることはありませんでした。動きを制限する綱も、恐怖で動物を従わせるふりや、家畜化された動物がする人間への依存もないのに、ふたりは目に見えない絆で結ばれているように思えました。

幻想と現実

鷹匠とハヤブサの特別な関係に憧れたわたしは、日本の鷹匠を訪ねました。そこで知った現実は厳しいものでした。猛禽は鷹匠になれることはあっても、犬や馬のように懐くことはない上に、調教には罰が通用しないというのです。
孤高の存在に思える猛禽と鷹匠を繋ぐものはひとかたまりの肉だけでした。そう、猛禽は餌のためだけに飛ぶ、極めて合理的な生き物なのです。

深まる謎

細心の注意をはらい、気の遠くなるような忍耐で調教しても、猛禽は恩を感じることはありません。かといって鷹匠は猛禽を道具扱いすることはなく、だれよりも大切に世話し、無事に帰ってくるかわからなくとも、大空に放つのです。
獲物が獲れれば嬉しいだろうけれど、狩りの最中に死んでしまったら鷹匠は悲しいに違いありません。いったい何のために、厳しい自然の掟にすすんでわが身と自分の猛禽をさらすのだろうか?
計算されたリスクの中で暮らす現代人のわたしにとって、命が代替不可であるという事実は当たり前すぎて希薄になりつつもありました。

わたしにもできる?

ギブアンドテイクの狩りのパートナー以上に奥深い関係である鷹匠と猛禽。それを理解したいなら、自分でハヤブサを調教するしかない。
しかし毎朝の訓練と片道1時間の通勤を両立するには睡眠時間を削らなければならず、狩猟に否定的な人に出会ったらどう対処したらよいのだろうか、など葛藤と不安が尽きることはありませんでした。
わたしが最も恐れていたことは、ハヤブサを空に放った結果、取り戻せなくなることでした。もしそうなってしまったら、わたしの性格上、悔やんだり自分を責めたりすると思っていました。どうしても失くしたくなければ、自由に飛ばさなければよいのです。
でもそれは、今まで築いたものを失うのを恐れて、新しいことに挑戦しないことと同じようなことだとわたしは知っていました。(注:猛禽を屋外で自由に飛ばす際は発信機を装着し、見失っても回収できるようにしています)

実際に調教してみた

遠くイギリスから輸入されたわたしのハヤブサは、警戒心の強い個体でした。
何度も噛まれたりつかまれたりしながら(今でも手に傷あとがうっすら残っています)、ハヤブサと意思疎通をはかれるようになった頃、夏は終わり、秋になっていました。(詳しくは『ハヤブサ使い』 で読むことができます https://note.mu/falconer/n/neb15484228a1?magazine_key=m41fd5f553754
調教といっても、人間が一方的にハヤブサにやらせたいことを押し付けるのではありません。しぐさから次の行動を読み、本能にプログラムされた行動を餌を使って引き出し、徐々に信頼を構築していくのです。
止まり木の上で力強く羽ばたくハヤブサの姿を見たわたしは、行き先のわからない飛行にわくわくするようになっていました。

執着を手放す

自分で調教したハヤブサが空を飛ぶ姿をはじめて見たとき、あまりの美しさに目をそらすことができませんでした。本能に導かれたその姿は死の不安とは無縁で、どの瞬間も生きようとするエネルギーに満ちていました。
過去を悔やんだり将来を懸念できる動物は人間だけだと言われています。けれどその高い知性のあまり、不安にとらわれて今を楽しめなかったら、本末転倒です。
わたしも飛ぶハヤブサのように今を精一杯生きればよいのだと、直感的に悟りました。猛禽が鷹匠の拳を離れるとき、鷹匠の心もまた空を舞うのです。

広がる世界

2年の準備期間を経て手に入れたハヤブサは、わたしに多くのものをもたらしてくれました。調教の過程でたくさんの人が親身にアドバイスをしてくれ、人生で最も人の輪が広がりました。
次回以降はそれについてお伝えできればと思っています。
鷹狩りをするかしないか迷っていた理由は、のめり込みすぎて生き方まで変えてしまう恐れがあったからだと今ではわかります(笑)

メッセージ

理由はわからないが強く惹かれることを見つけたら、思い切って挑戦してください。
あなたがそれに惹かれる理由がわかるからです。
それはきっと、あなたの生き方をポジティブに変えてしまうでしょう。

 

TK
198X年関東生まれ。
2016年よりハヤブサで鷹狩りをはじめる。外資系企業等の勤務を経て、フリーランス通訳・翻訳者。趣味は乗馬とシュールなフクロウグッズ作り。
Webサイト http://hayabusa.takagari.net/
フクロウグッズ販売中 https://minne.com/@menfukurou
関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)